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絵ごよみ 箱庭

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僕の育った家の裏には、段々畑が3段ほどあり、その先には昔は県道だったと思われる道があり、道を横切ると、山につながるみかん畑があった。我が家の裏の井戸端からつながる、畑への道の左奥には芝小屋があり、隣には小さな花畑、次いで上がり際には防空壕。さらに細い道を登ると、1段目の畑が広がり、畑の中程の2段目の畑との境目あたりには、生ゴミなどを捨てる場所があった。2段目の畑は、手前の中央には金柑の木、端には1段目の畑を見下ろすようにお茶の木、土手には水仙があった。1段目との境目のゴミ捨て場の手前には、大きな柿の木があり、突き当たりの竹林の脇には山椒の木があった。3段目の畑に登る道の右脇、キレイな水がチョロチョロとしたたるところには、三つ葉が生えていた。登り切ると小さな笹が一面に生えているど真ん中に大きな山ももの木があった。そんな事で、この畑まわりは子供の頃の遊び場で、数々の思い出がある。小学上級生の頃から僕は、山芋堀が好きで友達とよく掘りに行き、花畑の端っこの方によく埋めていた。食べたい時には掘り出す貯蔵庫のようなもので、よく「とろろ芋」を作ってもらい食べていた。防空壕の思い出は、中学か高校か定かではないが、防空壕の入り口に網を張り鶏を3〜4羽飼って卵を産んでもらっていた。朝は学校に行く前、畑まわりの草を刈り、細かく刻んだものを米糠と混ぜて鶏の餌にしていた。日課にしていたのだが、真冬は流石に手が痺れ、辛い日々だった。1段目の畑は一番広く、さつまいも、じゃがいも、大根、キャベツ、そら豆、白菜、なす、きゅうりなど季節ごとに色々と植えていたのを思い出す。かぼちゃはゴミ捨て場あたりから自動的に生え、立派な実をつけていたな〜。金柑の実がうまそうに実った時、友達と遊びながら食べた事があったのだが、友達はバリバリとうまそうに食べるが、僕はその頃、酸っぱいのが苦手だったのか、あまり食べれなかった。秋の柿の木にはよく登って柿をとり、かぶりついていたが、より旨そうな柿を取ろうと先端の方に行きすぎ、枝が折れて下の畑に転がり落ちたこたがあった。幸い畝がクッションの代わりを果たしたのか、怪我はなく無事だったが、土まみれで怖い思いをした。6月の梅雨時は山ももの季節、朝露で少し冷えた赤い実は美味しく、学校に行く前に時々登って食べていた。小学校2年生の時は仲の良い友達にあげたくて、ぼっつり(小さな竹で編んだカゴ)に入れて学校に持っていった。しかし、先生に怒られることもなく、教室の皆が騒ぐこともなかった。良き昭和時代だったな〜。





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by taiyoart | 2024-08-26 17:08 | 絵ごよみ随想 | Trackback | Comments(0)

美崎太洋の油絵 明るい、楽しい、嬉しいをモットーに描いている。


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