洋画家 美崎太洋の遊画遊彩

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「泣いたらアカンで通天閣」 著者 坂井希久子さん

久々に好きな本に出会った。
話は通天閣近くの北詰通商店街(本を読めば行きたくなりますが、架空の商店街)の「味よし」と言うゲンコが営むラーメン屋、その娘センコを中心に繰り広げられる人情話し。
その商店街にはマドンナ(喫茶店)、かめや(質屋)、萩屋(つれこみ宿)、コインランドリー、シャッターを降ろした乾物屋、後にゲンコがめんどうを見ることになるスルメと言う少年が住む光ハイツと言うマンションなどがある。また、通天閣近くの路上や公園では、青空カラオケや昼間から酒を飲み、浪曲をうなって一曲○○円と金をとるようなおっさんがいたり、通天閣展望台にはビリケン神社があったりと、そんなおもろいロケーションの中、物語は展開する。
人々は必要以上におせっかいが過ぎるのだが、みんな愛のなせる技。読むうちに潜在意識に火がともり自分につながってゆく。レトロな懐かしい思いに目がうるむ。(昭和〜太古まで、ちょっとオーバーかな)また、ゲンコのちゃらんぽらんな言動には笑ってしまう。しかし、1000%愛にあふれた人だ!その人に育てられたセンコは幸せ。血筋だけが親ではないし、ロケーションは自分が選んだり、作ったりしているんだな〜と言う事が感じられる。(詳しくは本を読んでね。)泣き笑いの中、根底には一貫して大きな愛が流れている素晴らしい作品です。おもろいよ〜。

出版社ホームページ ↓
祥伝社

「泣いたらアカンで通天閣」 著者 坂井希久子さん_a0086270_13191849.jpg

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by taiyoart | 2012-05-17 19:56 | Trackback | Comments(0)

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